南極
南極への旅立ち
1/68
南極への旅はウシュアイアの町から船で。
ウシュアイアはフェゴ島にある。
フェゴ島は南米大陸最南端とマゼラン海峡で隔てられている。
船に乗り込む筆者。
ビーグル水道に面しているウシュアイアの港にて。
出航
2/68
とてつもなく海が荒れ、猛烈にうねりの有る魔の海峡として、航海する者に悪名高いドレーク海峡をひたすら南下。2昼夜かけて南極海へ向かう。うねりのなか下等船室だった筆者の部屋は、いくど海面下に没した事か。ウシュアイア港からの出航風景。
オリエンテーション
3/68
南極へ向かう船の中、まず行われるのは上陸や観光に際してのオリエンテーション。南極の地理、生き物など様々な知識をも教えてくれ、これから始まる南極観光に胸は踊る。南極観測隊OBの方もオブザーバーとして乗船されていて、タロ・ジロの話をしてくれた。
シャチ
4/68
魔の海峡ドレーク航行中でも楽しい出来事が。その一つが普段見る事の無い海洋動物に出会える事。ゆっくりと海面近くを泳ぐシャチの一家。野生のシャチには結構多くの傷跡がついており、色も薄汚れていた。
氷山遭遇
5/68
航行中、周囲の景色は海だけで何も無い。
2日目初めて氷山に遭遇。感激!!
極地に近づくにつれて沢山の氷山が。
巾が狭くすれすれを航行する事も。
タイタニックになりません様に。
ゾディアック・ボート
6/68
島や大陸への上陸は、港や桟橋など建造物が何もないので、大型の母船からはできない。母船は沖合に停泊し、上陸にはエンジン付きのゴムボート(ゾディアック・ボート)でトライ。防寒着を着け完全装備で臨む。
氷山
7/68
いくつもの氷山の中、ビルディング程も有る巨大な氷山が行く手に。
ここでは様々な形の氷山に遭遇します。
撮影したのはひときわ美しかったこの氷山。
澄みきった青空に純白が映える。
氷山
8/68
太陽の光の中、微妙に色彩を変える氷山。
サウス・シェトランド諸島(キングジョージ島、エレファント島、デセプション島、リビングストン島など)付近にて
上陸
9/68
たびたび行く手を氷に阻まれ、身動きが取れ無くなる。
無理をするとスクリューが氷で折れてしまい、漂流の憂き目にも。
やはり最後は人力。
決死の上陸作戦でした。
ヒゲペンギン
10/68
人が近づこうが平然としていて、気持ちよさそうに日光浴をしているヒゲペンギン。
あごに黒い線状の毛が生えており、あごひげに見えるのが名前の由来。
ヒゲペンギン
11/68
翼を広げてバランスを取りながらヨチヨチと歩くペンギンは、見ていても飽きないほど愛らしい。
ペンギン
12/68
ぬいぐるみの様な可愛らしさ。
包んで持って帰りたくなるほど。
毛がもこもこしているこの子はジェンツーペンギンの子供。
アデリーペンギン
13/68
海から上がってきたばかりのアデリーペンギン。
アデリーは目の周りの白い縁取りが特徴。
氷河
14/68
南極ではいくつもの氷河を身近で見る事ができる。
比較的なだらかな丘陵地帯を被っている。
ジェンツーペンギン
15/68
ジェンツーペンギンの親子。
先ほどのヒナから少し大きくなって羽毛が生え替わり、見た目は大人と変わらない。
それでも一人ではエサを獲れないので、親のくちばしを突っついてエサをねだっていた。
ジェンツーペンギン
16/68
岩陰にじっとしているジェンツーペンギン。
足元には真っ白な羽毛が散乱している。
ちょうど生え替わりの時期。
ジェンツーペンギン
17/68
追いかけっこするジェンツーペンギン。
ユーモラスな姿に思わずほほがゆるむ。
ペンギン
18/68
ペンギン達を背景に筆者近影。
アザラシ
19/68
ペンギンと並んで、良く出会う野生動物では南極アザラシの仲間が多い。
ナンキョクオットセイ
20/68
よく見ると耳たぶらしき物が見られるので、ナンキョクオットセイかな。
母船
21/68
上陸地点の沖合に停泊中の母船。
南極観光中の生活は全てこの母船で。
食事も新鮮な食べ物を多く積んでおり、筆者の二等船室でも居心地は結構良かった。
氷河
22/68
なかなかの迫力の巨大氷河。
それでも地球温暖化でずいぶん後退していると言う。
コロニー
23/68
まさに足の踏み場もない、とはこの事。
産毛を生え替わらせていた子供ペンギンも多くいた。
ヒゲペンギンのコロニーにて
コロニー
24/68
ヒゲペンギンのコロニー。
短い夏の南極では繁殖の時季で、多くのコロニーが出来ていた。
短い夏
25/68
筆者が訪れたのは2月後半。
南極ツアーも12月から3月頃の約4ヶ月ほどの期間だけ。
後は雪と氷の世界になってしまう。
海岸
26/68
氷河から続く小川が海岸線を流れる。
天気が少し悪いと直ぐに小雪が降り、モヤがかかる。
モノトーン
27/68
モヤにけむる氷河。
面前で崩れ落ちる氷壁。
その氷塊に埋め尽くされた海面。
何も起きなかったかの様なペンギン達。
白黒写真の様なモノトーンの世界です。
氷山のペンギン
28/68
青色の氷山の上でくつろぐペンギン達。
青色の氷山
29/68
神秘的な美しい青色の氷山。
度合いはまちまちですが、光の加減で青く見える。
氷山のペンギン
30/68
ペンギン達にとって氷の上は休むのには最適の様だ。
氷山
31/68
不思議な紋様の氷山。
氷山は海水に浸かっている所が溶ける。
そうすると海上の部分が重くなって、バランスを崩しひっくり返る。
氷山
32/68
彫刻のオブジェの様な、自然が作った氷の芸術。
一つとして同じ形の物は無く、侵食された様々な氷山に出会える。
引き込まれそうな、白とブルーの世界です。
鯨骨
33/68
海岸に横たわるクジラの骨。
全身が残っており、博物館で見る骨格標本の様だ。
打ち上げられた物ではなく、昔この辺りを捕鯨基地にしていた人々が捨てていった物らしい。
雪山
34/68
かなりの高地へ出向かないと見れない様な、深い万年雪を頂く美しい雪山。
それがここでは直ぐそこにあり、船の甲板から簡単に眺められる。
ゾウアザラシ
35/68
巨大な生物、ミナミゾウアザラシ。
アザラシの中で最大の種で、一般的なオスで4m、2トン。
大型になると6mで4トンにもなる。
ハーレム
36/68
天を揺るがす程の轟き渡る雄叫びをあげる、ミナミゾウアザラシのオス。
大木の様な体の割には素早い動きをする。
ゾウアザラシは一夫多妻でここはそのハーレム。
船の残骸
37/68
まだ捕鯨が盛んだった頃の木造船の残骸。
南極には廃墟となった建造物など、当時を偲ばせる昔の遺物がいくつか残っている。
獲物
38/68
「エッ!ボクの事、おそおうとしている?」
ペンギン君、速く逃げないと。
棚氷
39/68
南極海に浮かぶ巨大な棚氷。
棚氷は氷河が崩落せず、そのまま海に押し出されて出来る。
大陸と陸の様につながっている
棚氷
40/68
地球温暖化の影響なのか、巨大な棚氷が近年いたる所で崩壊が起きている。
筆者が見たこの棚氷も、上部には氷が溶けた池があるみたいで、大きな滝が出来ていて、水しぶきを上げながら流れ落ちていた。
アザラシ
41/68
ゾディアック・ボートで探索中、おなかを向けて寝そべるアザラシを発見。
なんとも笑ってしまう光景。
アザラシ
42/68
ペンギンもそうだが、アザラシも近づいても少々では逃げない。
人間は敵と見なしていない様だ。
気だるそうにひなたぼっこをしている。
アザラシ
43/68
流氷の上でひと休み。
愛嬌のある海の生き物たちに沢山会えるのも南極旅行の魅力。
温泉
44/68
南極の海で水着での海水浴??ここはデセプション島。なんと南極で温泉が湧いているのだ。海岸線の砂地から熱泉が湧き、海水と混じって波打ち際は絶好の湯加減。なんと気持ちのいい事。
温泉
45/68
湯に入った後が地獄。気温数度の中、湯から上がるのに一大決心が必要です。女性は簡易テントを用意されたが、オヤジ達は吹きっさらしの中、さぶいぼを立てての着替え。ご苦労様です。
デセプション島
46/68
サウス・シェトランド諸島の一つ、デセプション島は活火山の島。浜辺のいたる所で熱泉が湧き出しているので、海岸は湯気で先が見えない。世界最南端の温泉。秘湯のブームだが、ここ以上の秘湯は無いだろう。
カルデラ
47/68
蔵王の御釜の様に、美しいエメラルドグリーンのカルデラ湖。
地熱が高いので氷に被われず、むき出しの地表となっている。
カルデラ
48/68
別の島のカルデラ。
海岸まで近くなので、ペンギンのコロニーができていた。
逆光
49/68
逆光の中の氷山と海。
細かい波の反射光と氷山のシルエットが不思議な写真にしました。
オン・ザ・ロック
50/68
氷山の氷は何万年もの昔の雪が、ものすごい圧力で氷になったもの。その中には当時の空気がタイムカプセルの様に閉じ込められている。
この氷でお酒を飲むんだ!これが南極旅行の最大の夢。
プチプチと弾ける太古の気泡と共に大自然の氷で飲む酒!失礼して一杯頂く筆者近影。
アトラクション
51/68
南極でのアトラクションの一つ、それは自然の雪の斜面を滑り降りる事。
スタッフが穴を掘ってコースを作ってくれた。
結構スピードが出て、中にはコースアウトする人や逆さまになってしまう人などがいた。
氷河
52/68
どこから来たのか、ヨットで南極まで来ている強者が。
ずっと停泊していたので、目の前の氷河が崩落するシーンを待っているのかな。
かなり近くにいるので、崩落したら転覆する危険は無いのかな。
入り江
53/68
海岸線はどこも複雑な地形。
ここも内陸に深くえぐる様に入り込んでいる。
鏡面のごとく澄んだ静かな入り江には辺りの風景が映り込み、美しい風景を見せてくれる。
南極基地
54/68
各国の南極基地を訪れるのも楽しみのひとつ。
ここはキングジョージ島にある中国の南極観測基地、長城基地。
商魂たくましく、お土産屋のハウスも置いていた。
南極基地
55/68
シンプルな造りのアルゼンチン基地。
他にはイギリス基地にも訪問。
イギリス基地には郵便局も有り、南極からのエアーメールを出せた。
海峡
56/68
狭い海峡を進む。
この辺りはルメール海峡と呼ばれる航行の難所。
両岸から迫り来る雪山が迫力。
雪山
57/68
ルメール海峡周辺は美しい山岳景観が味わえる。
雪山の山肌に風が当り、雲ができていた。
雪山
58/68
切りだった荒々しい山肌の峰。
雪山
59/68
モヤにかすむ山頂に太陽の光が差し込み、幻想的な景色となっていた。
白子
60/68
偶然出会った白色の個体。
白子(アルビノ)と呼ばれる。
白子
61/68
自然界では突然変異は珍しく無いらしいが、この様に大人にまで成長できるケースは少ないと言う。
パーティー
62/68
そろそろ南極の旅は終盤。
天気が良かったこの日は、甲板でのビュッフェ式ランチ。
夜はスタッフによるさよならパーティーが催された。
操舵室
63/68
旅の記念に操舵室を見学。
夕景
64/68
夕景もきれいだったので、早速撮影。
夕景
65/68
雪山の峰を照らす夕日。
確かに夕日はきれいだけれど、砂漠やサバンナでの夕焼けに比べれば薄い。
夕景
66/68
夕焼けは砂塵や水蒸気で空気が程良く濁っていると真っ赤な色になる。
極地の南極は空気が澄んでいるので色づきが少ない。
夕景
67/68
氷山の彼方へ沈み行く落日。
茜色の夕日とコバルトブルーの夕闇。
まもなく訪れる満天の星空には、サザンクロス(南十字星)がきらめく。
スタンプ
68/68
基地では入国では無いが南極への足跡を記念してパスポートに基地のスタンプを押してくれる。
上がチリ基地、下はアルゼンチン基地。