中華人民共和国(雲南省)
昆明
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雲南省の旅。
玄関口は省都の街、昆明の昆明空港。
飛行機のタラップを降り、駐機場を歩いて空港ターミナルビルへ向かう。
昆明空港
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筆者が訪れた当時の、この空港は昆明巫家ハ国際空港。
現在は廃港となり、新しい昆明長水国際空港が新空港として開港している。
陽宗海
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昆明市内観光は後回しにして、名勝地、石林へ向かう。
途中、景色の良い陽宗海に立ち寄る。
陽宗海
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陽宗海は昆明市内から東へ40k程にある湖。
風光明媚な所で、湖水はきれいで捕れる魚も豊富、陽宗海風景区として観光開発に力を入れている。
陽宗海
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筆者が訪れた頃はきれいな湖だったが、観光開発を強化した結果、環境汚染が進んでしまった。
追い討ちを掛ける様に工業排水によるヒ素汚染が発覚し、観光客は激減してしまった。
石林
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石林に到着。
入口にある石林湖。
周恩来が首相に就任し、石林に訪れた時、造らせた人造湖。
石林
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石林湖の風景。
石林湖の反対側には獅子池がある。
石林
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獅子池のそばの階段を上ると小高い丘に登れ、そこに獅子亭がある。
そこの獅子亭からは石林を一望できる。
石林
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槍の先の様な鋭い岩が、タケノコの様に突き出ている。
奇岩の間にある東屋は望峰亭。
後から参ります。
石林
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岩の柱が立ち並ぶ、奇観が広がる石林の景観。
石林
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石林湖から遊歩道を進み、石林の観光エリアに入ります。
ここには石屏風と呼ばれる、屏風の様な大きな岩が立つ。
石林
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石屏風を過ぎると、群峰壁立千峰畳翠と彫られた巨石が現れた。
下には朱徳題詞とある。
朱徳とは中国の軍人で、人民解放軍総司令として建国に寄与した。
石林
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石林は整備されており、観光用に遊歩道が縦横無尽に張り巡らされている。
細い道の上には崩れた岩が乗っかり、トンネルの様になっている。
石林
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様々な漢字の書が彫刻されている石柱群があるここは石林勝景と呼ばれる場所。
右には南天砥柱、左には天下第一奇観と彫られている。
石林
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巨大な石柱に朱字で石林とある。
観光ガイドブックなどに載っていて、よく見るこの岩は石屏。
下には天造奇観とある。
石林
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異境天開と彫られている。
ここは天と地と異にする境界、との事。
石林
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奇岩が続く石林の風景。
石林の景観は、水に溶けやすい石灰岩の大地が、雨水などに浸食された地形、カルスト地形の景観。
石林
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迷路の様な細い遊歩道を進む。
石林全体は中国における国家級風景名勝区として路南石林風景名勝区に指定されている。
石林
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石林勝景から剣峰池へ向かいます。
この辺りから鋭く尖った岩々が続く剣状石柱群が現れる。
石林
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遊歩道を進むと、巨石に挟まれた僅かな隙間を縫う様に池が現れた。
岩には剣峰と刻まれている。
ここは剣峰池。
石林
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橋が架かる剣峰池の風景。
カガミの様に澄んだ水面だ。
石林
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剣峰池の風景。
風景名勝区とは自然の美観が優れ、観光などに貢献する、中国国家レベルの区域の事。
石林
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石林風景区は350平方キロもの広大な面積に及んでいる。
その中でも見どころが集中してまとまっている区画を、大石林、小石林、李子園青、歩哨山、乃古石林、など複数の観光区として公開している。
石林
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石林勝景や剣峰池は大石林に属し、石林の中で最も整備されているエリア。
石林
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風景にアクセントをと、人造湖がいくつか造られているが、この剣峰池は大石林では数少ない自然の池。
石林
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岩には様々な形が有る。
剣状以外にも柱状や塔の様な岩、キノコの形をした物、帽をかぶった岩など。
石林
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岩の中には動物の姿に見える岩もある。
この岩は双鳥渡食。
左右二羽の鳥同士が、互いにくちばしで餌を渡し合っている様に見える事から。
石林
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この岩は象踞石台。
石の台座の上に、象が膝を折り、体を丸くしてうずくまっている様に見える事から。
石林
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月を見ているサイの形の石という犀牛望月。
中国語でサイは犀牛と書く。
石林
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他にも、空から龍が落ちて龍の歯が残ったと言う龍の歯や、叩けば音が鳴る石鐘など、楽しい岩々がある。
石林
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中国では海の様に広きに渡り果てしなく続く樹海を林海と呼ぶ。
ここの風景が林海の様な所から石林と名付けられた。
石林
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古生代二畳紀の頃、今の石林一帯は海底だった。
この時期、大量絶滅が起き、多くの海生生物が絶滅した。
その古代生物の亡骸が分厚く堆積し、大量の石灰岩が作られた。
石林
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その後、大陸移動に伴う地殻変動が起こり、この辺り一帯は隆起し陸地となる。
石灰岩層の中で、むき出しとなった地表部分は、雨水による溶食をうけた。
これはこの地方の特色である多雨地帯の気象にも多分に影響され、数千万年を掛けてこの奇観が造り出された。
石林
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この東屋は望峰亭。
大石林で最も高い場所に建つ。
石林
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望峰亭に登ってみた。
ここからは大石林の剣状石柱群が見渡せる。
遊歩道の下からの風景とは違った景色が楽しめる望峰亭からの風景。
石林
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剣状石柱群のパノラマ風景が楽しめる望峰亭は、大石林の中でも最も眺望の良いビューポイントとなっている。
石林
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望峰亭からの風景。
誰か知らないが、岩の上に登っている。
危ないなあ。
石林
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伝説が残る。
昔、厳冬時に一人の男が石林を通った。
ふと遠い岩の上に、季節に似つかわしくない、赤い実を付けたスモモの木を見つけた。
摘もうとして近づくもスモモの木は見つからなかった。
次の日に同じ場所に行くも見つからなかった。
まるでスモモがそこにあった様だった事から、スモモが生える石林、李子石林とも呼ばれている。
石林
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とても不安定に乗っているだけの岩が有る。
石林の辺りは地震は少ないのだろうか。
石林
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少数民族による舞踊ショーを観賞しました。
民族は、石林地区に住むイ族サニ人の人達。
石林
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サニ人のお嬢さん達と記念写真。
イ族は雲南省に最も多く暮らす。
いくつかの部族に分かれ、黒イ、アシ、サニ、白イなどがある。
石林
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ここは小石林。
やや小ぶりながら、整備された芝生の上に立ち並ぶ奇岩の類は石の盆栽の様だ。
石林
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玉鳥池の風景。
池に映る逆さ石林が美しい。
石林
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ここは地下石林。
鐘乳洞が数多くある九郷鍾乳洞群地区。
石林
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鍾乳石が垂れる、地下石林鐘乳洞の風景。
降水量の多い雲南の石灰岩層は地表部分だけではなく、地中に浸み込んだ雨水は多くの鐘乳洞を生んだ。
石林
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地下石林九郷地区には大小90もの鍾乳洞があり、中には地底湖もある鍾乳洞もある。
石林
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この鍾乳洞は芝雲洞。
石筍には悟空取宝と書かれている。
石林
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この地区の鐘乳洞は全て合わせると50kにも及ぶと言う。
石林
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カラフルにライトアップされたエリア。
手振れがひどいです。
石林
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鍾乳石を赤くライトアップしている。
洞窟内には地下川が流れる。
石林
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地下桂林を出た先には、カルスト台地を観光する観光馬車が待っていた。
カルスト地形とは、雨水や地下水などが主には石灰岩大地を侵食し、塔状や柱状の岩石が残り、地下には鍾乳洞ができる地形の事。
石林
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石林は良好なカルスト地形を有する地域であり、中国南方カルストの一つとしてユネスコ世界自然遺産リストに登録されている。
世界遺産中国南方カルストに登録されている地域は、石林以外には茘波、武隆、桂林、施秉、金仏山、環江のカルスト地域がある。
石林
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石林の石灰岩層には古代の化石が眠っており、数多く発掘されており、化石保護区としても指定され、保護されている。
石林
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カルスト台地のこの風景は、日本で有名な秋吉台に似ている。
すり鉢状のくぼ地をドリーネ、飛び出た石灰岩をピナクルと呼びます。
村
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石林近くの村に立ち寄った。
レストランの裏手、アヒルが吊るされていた。
ここは焼鴨のレストラン。
村
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焼鴨は雲南省では宜良焼鴨として名物料理になっている。
焼きたての焼鴨を見せるお店の人。
村
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丸焼きにする石窯からはモクモクと煙と共に美味しそうな匂いが立ち込める。
焼鴨で有名なのは他には北京料理の北京ダック、広東料理の焼鴨がある。
村
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石窯を覗く。
綺麗なキャラメル色に焼き上がった宜良焼鴨。
村
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厨房を覗いてみた。
淡水魚の類の水槽が有った。
魚料理も美味しいのだろう。
村
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色々な食材が並ぶ地元レストランの厨房。
昆明空港
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再び昆明空港。
これから西双版納へ向かいます。
車窓
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飛行機の窓から見た雲南の風景。
ダム湖だろう。
西双版納
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西双版納に到着。
小さな地方空港だが、タイ・バンコクやラオスとの国際線も飛ぶ。
西双版納
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西双版納はシーサンパンナと読み、この空港はシーサンパンナ・ガサ空港。
首府が景洪市である事から景洪空港とも呼ぶ。
景洪
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景洪市の街中風景。
餃子の具の様なアンが入った揚げパン。
景洪
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景洪市は雲南省の最南端にある西双版納タイ族自治州の首府で、南にはミャンマーの国境がある。
景洪
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東南アジアでよく見かける三輪タクシー。
乗り場だろう、沢山集まっていた。
景洪市場
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西双版納の観光は朝の自由市場、景洪集貿市場を散策します。
沢山の人が訪れている市場の入り口ゲートの風景。
景洪市場
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景洪集貿市場のアーケード風景。
景洪市場
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トウモロコシやヒエなどの穀物の店。
雲南省は麗江ビエの産地で知られる。
景洪市場
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食堂の風景。
お総菜が並ぶ。
景洪市場
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魚屋。
ピラニアの様な淡水魚だ。
他にはナマズの類が売られていた。
景洪市場
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焼き鳥。
美味しそうな焼き鳥だ。
景洪市場
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豚の煮つけ。
鼻や耳、豚足、尻尾など。
景洪市場
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景洪集貿市場の出口ゲートの風景。
ガンランバ風景区
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景洪市から少し郊外へ。
ここは車で1時間ほどにあるガンランバ風景区。
ガンランバ風景区
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ガンランバ風景区の通りの風景。
少数民族のタイ族が実際に住んでいる村を観光用として民族テーマパークにしている文化村。
ガンランバ風景区
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村の通りに面して開かれている自由市場、農貿市場。
ガンランバ風景区
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農貿市場の隅では火を起こし、調理しているタイ族の家族。
ガンランバ風景区
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農貿市場の風景。
売っている物はサトウキビかな。
ガンランバ風景区
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通りを自由に歩いていた子豚。
飼われているのだろう、ノラ豚ではなさそうだ。
ガンランバ風景区
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村の風景。
豚や鳥も放し飼い。
のどかだ。
ガンランバ風景区
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集落の地区へやって来た。
広場には露天商の屋台が並ぶ。
ガンランバ風景区
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タイ族の村。
高床式の住居は伝統的家屋。
ガンランバ風景区
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高床式家屋がが続く。
降雨量が多く、湿気の強い地域に暮らす人々の知恵なのだろう。
ガンランバ風景区
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一軒の家にお邪魔した。
村長さんの家だ。
質素だが、機能的な造りになっている。
ガンランバ風景区
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庭では七面鳥が放し飼い。
ガンランバ風景区
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なかなか迫力のある雄の七面鳥。
タイ式寺院
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タイ式の仏教寺院である曼春満古佛寺。
外観の風景。
タイ式寺院
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曼春満古佛寺の境内に入ります。
石造りの仏塔はミャンマーのパゴダに似ている。
タイ式寺院
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曼春満古佛寺の境内の風景。
タイ式寺院
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僧侶がいた。
オレンジ色の袈裟をまとった姿は、タイ、ミャンマー、ラオスの僧侶と同じだ。
タイ式寺院
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本堂へ入る。
仏の姿もタイの寺院に安置されている仏と同じ。
モンハン
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ここはガンランバと並び農村観光地のモンハン。
通りのレストランの風景。
モンハン
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モンハンにも大きな自由市場、農貿市場がある。
市場へと続く通りには大勢の村人が出ていた。
モンハン自由市場
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カラフルな服をまとったタイ族のお嬢さん。
モンハン自由市場
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モンハン自由市場の露天商の風景。
クジャクの羽を加工したうちわを売っている。
モンハン自由市場
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お肉のお店。
屋外で生肉をそのまま並べて売っている。
モンハン自由市場
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牛や豚の全ての部位が売られている。
内臓や頭、足がグロテスクな状況で置かれている。
モンハン自由市場
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ヒヨコのお店。
黄色以外にオレンジ色のヒヨコがある。
日本で昔、縁日の夜店で色付けしたヒヨコを売っていたが、同じかな。
モンハン自由市場
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こちらではガチョウを売っていた。
足を縛られ、バタバタしている。
モンハン自由市場
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かごの中にはアヒルの雛がたくさん。
大きく育てて、雲南名物の宜良焼鴨にするのだろう。
モンハン自由市場
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お食事中の子供たち。
小さいのに大人用のお箸を使っている。
ちょっと楽しい。
モンハン自由市場
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カピパラの様な巨大なネズミはヌートリアかな。
雲南省では食用に飼育されている所も有る。
モンルン地区
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ここはモンルン地区。
大河メコンが流れる地域で、河岸の斜面には盛り土をし、レンガで土台を築いた家が建つ。
熱帯植物園
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ここはモンルン地区にある西双版納熱帯植物園。
その入口の風景。
熱帯植物園
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園内にて筆者近影。
後の木はヤシの木かな。
熱帯植物園
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園内の池。
植物園は1959年設立。
その後、現在に至るまで大きく発展させた。
熱帯植物園
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園内のハス池には多くのハスの花が咲いていた。
熱帯植物園
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熱帯雨林の環境下で生育する数多くの熱帯植物を集めており、現在では1万数千種類とも言われている。
中には貴重な絶滅危惧もあり、その保護と繁殖にも尽くしている。
熱帯植物園
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こちらはオオオニバス。
お盆の様な、葉の縁が反り返った独特な形で知られる。
熱帯植物園
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園内でお土産物を売る人達。
ここも露店だ。
熱帯植物園
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園内でお土産物を売る家族。
ちっちゃい女の子とおばあちゃん。
タイ族の村
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植物園を観光した後、モンルン地区のタイ族の集落を訪ねてみた。
タイ族の村
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タイ族の暮らす民家。
伝統的な高床式の住居だ。
タイ族の村
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集落に暮らすタイ族の子供たち。
基準が違うのだろうが、質素を通り越して粗末な暮らしぶりに見える。
タイ族の村
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高床式の建物は湿気の多い地域でよく見られるが、この集落の様に山の斜面に家を建てるのにも用いられる建築方式だ。
タイ族の村
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一階部分は物置や家畜の飼育に用いられる。
日本ではネズミや湿気から守る穀物を蓄える倉として発達した。
タイ族の村
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タイ族の人々。
壁は竹やシュロの葉で編んだ作り。
風通しは良いだろう。
メコン河クルーズ
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メコン河に出た。
ここはメコン河の遊覧船の乗り場。
メコン河クルーズを楽しみます。
メコン河クルーズ
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これから遊覧船に乗り込みます。
メコンはチベットから流れ出し、ここ中国雲南省を通り、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジアを流れ、ベトナムで南シナ海に達する。
全長4200K、6か国を流れる国際河川。
メコン河クルーズ
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クルーズ出航です。
岸辺にはいくつもの船が停泊している。
雨期には河の流れが速くなり、乾期には浅瀬が増える。
このため、国際河川の割には船の運航にはあまり適さない。
メコン河クルーズ
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メコン河の風景。
豊富な淡水魚が採れる。
多くはナマズや鯉の仲間。
メコン河クルーズ
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メコン河の河岸に暮らす集落の風景。
雲南省のこの辺りはメコンの上流から中流域にあたる。
民族舞踊
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夕食はタイ族の民族舞踊を楽しみながら、雲南料理を頂きました。
レストランの南方民族歌舞庁入口にて。
民族舞踊
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