昆明市内から名勝地、石林へ向かう。
ここは石林への途中、景色の良い陽宗海に立ち寄る。

陽宗海は昆明市内から東へ４０ｋ程にある湖。
風光明媚な所で、湖水はきれいで捕れる魚も豊富、陽宗海風景区として観光開発に力を入れている。

筆者が訪れた頃はきれいな湖だったが、観光開発を強化した結果、環境汚染が進んでしまった。
追い討ちを掛ける様に工業排水によるヒ素汚染が発覚し、観光客は激減してしまった。

石林に到着。
ここは入口にある石林湖。
周恩来が首相に就任し、石林に訪れた時、造らせた人造湖。

石林湖の風景。
石林湖の反対側には獅子池がある。

獅子池のそばの階段を上ると小高い丘に登れ、そこに獅子亭がある。
そこの獅子亭からは石林を一望できる。

槍の先の様な鋭い岩が、タケノコの様に突き出ている。
奇岩の間にある東屋は望峰亭。
後から参ります。

岩の柱が立ち並ぶ、奇観が広がる石林の景観。

石林湖から遊歩道を進み、石林の観光エリアに入ります。
ここには石屏風と呼ばれる、屏風の様な大きな岩が立つ。

石屏風を過ぎると、群峰壁立千峰畳翠と彫られた巨石が現れた。
下には朱徳題詞とある。
朱徳とは中国の軍人で、人民解放軍総司令として建国に寄与した。

石林は整備されており、観光用に遊歩道が縦横無尽に張り巡らされている。
細い道の上には崩れた岩が乗っかり、トンネルの様になっている。

様々な漢字の書が彫刻されている石柱群があるここは石林勝景と呼ばれる場所。
右には南天砥柱、左には天下第一奇観と彫られている。
石柱群を背景に筆者近影。

巨大な石柱に朱字で石林とある。
観光ガイドブックなどに載っていて、よく見るこの岩は石屏。
下には天造奇観とある。

異境天開と彫られている。
ここは天と地と異にする境界、との意味。

奇岩が続く石林の風景。
石林の景観は、水に溶けやすい石灰岩の大地が、雨水などに浸食された地形、カルスト地形の景観。

迷路の様な細い遊歩道を進む。
石林全体は中国における国家級風景名勝区として路南石林風景名勝区に指定されている。

石林勝景から剣峰池へ向かいます。
この辺りから鋭く尖った岩々が続く剣状石柱群が現れる。

遊歩道を進むと、巨石に挟まれた僅かな隙間を縫う様に池が現れた。
岩には剣峰と刻まれており、池の名は剣峰池と言う。

橋が架かる剣峰池の風景。
カガミの様に澄んだ水面だ。

剣峰池の風景。
風景名勝区とは自然の美観が優れ、観光などに貢献する、中国国家レベルの区域の事。

石林風景区は３５０平方キロもの広大な面積に及んでいる。
その中でも見どころが集中してまとまっている区画を、大石林、小石林、李子園青、歩哨山、乃古石林、など複数の観光区として公開している。

石林勝景や剣峰池は大石林に属し、石林の中で最も整備されているエリア。

風景にアクセントをと、人造湖がいくつか造られているが、この剣峰池は大石林では数少ない自然の池。

岩には様々な形が有る。
剣状以外にも柱状や塔の様な岩、キノコの形をした物、帽をかぶった岩など。

岩の中には動物の姿に見える岩もある。
この岩は双鳥渡食。
左右二羽の鳥同士が、互いにくちばしで餌を渡し合っている様に見える事から。

この岩は象踞石台。
石の台座の上に、象が膝を折り、体を丸くしてうずくまっている様に見える事から。

月を見ているサイの形の石という犀牛望月。
中国語でサイは犀牛と書く。

他にも、空から龍が落ちて龍の歯が残ったと言う龍の歯や、叩けば音が鳴る石鐘など、楽しい岩々がある。

中国では海の様に広きに渡り果てしなく続く樹海を林海と呼ぶ。
ここの風景が林海の様な所から石林と名付けられた。

古生代二畳紀の頃、今の石林一帯は海底だった。
この時期、大量絶滅が起き、多くの海生生物が絶滅した。
その古代生物の亡骸が分厚く堆積し、大量の石灰岩が作られた。

その後、大陸移動に伴う地殻変動が起こり、この辺り一帯は隆起し陸地となる。
石灰岩層の中で、むき出しとなった地表部分は、雨水による溶食をうけた。
これはこの地方の特色である多雨地帯の気象にも多分に影響され、数千万年を掛けてこの奇観が造り出された。

この東屋は望峰亭。
大石林で最も高い場所に建つ。

望峰亭に登ってみた。
ここからは大石林の剣状石柱群が見渡せる。
遊歩道の下からの風景とは違った景色が楽しめる望峰亭からの風景。

剣状石柱群のパノラマ風景が楽しめる望峰亭は、大石林の中でも最も眺望の良いビューポイントとなっている。

望峰亭からの風景。
誰か知らないが、岩の上に登っている。
危ないなあ。

伝説が残る。
昔、厳冬時に一人の男が石林を通った。
ふと遠い岩の上に、季節に似つかわしくない、赤い実を付けたスモモの木を見つけた。
摘もうとして近づくもスモモの木は見つからなかった。
次の日に同じ場所に行くも見つからなかった。
まるでスモモがそこにあった様だった事から、スモモが生える石林、李子石林とも呼ばれている。

とても不安定に乗っているだけの岩が有る。
石林の辺りは地震は少ないのだろうか。

少数民族による舞踊ショーを観賞しました。
民族は、石林地区に住むイ族サニ人の人達。

サニ人のお嬢さん達と記念写真。
イ族は雲南省に最も多く暮らす。
いくつかの部族に分かれ、黒イ、アシ、サニ、白イなどがある。

ここは小石林。
やや小ぶりながら、整備された芝生の上に立ち並ぶ奇岩の類は石の盆栽の様だ。

この池は玉鳥池。
池に映る逆さ石林が美しい風景を見せてくれる。

ここは地下石林。
鐘乳洞が数多くある九郷鍾乳洞群地区。

鍾乳石が垂れる、地下石林鐘乳洞の風景。
降水量の多い雲南の石灰岩層は地表部分だけではなく、地中に浸み込んだ雨水は多くの鐘乳洞を生んだ。

地下石林九郷地区には大小９０もの鍾乳洞があり、中には地底湖もある鍾乳洞もある。

この鍾乳洞は芝雲洞。
石筍には悟空取宝と書かれている。

この地区の鐘乳洞は全て合わせると５０ｋにも及ぶと言う。

カラフルにライトアップされたエリア。
手振れがひどいです。

鍾乳石を赤くライトアップしている。
洞窟内には地下川が流れる。

地下桂林を出た先には、カルスト台地を観光する観光馬車が待っていた。
カルスト地形とは、雨水や地下水などが主には石灰岩大地を侵食し、塔状や柱状の岩石が残り、地下には鍾乳洞ができる地形の事。

石林は良好なカルスト地形を有する地域であり、中国南方カルストの一つとしてユネスコ世界自然遺産リストに登録されている。
世界遺産中国南方カルストに登録されている地域は、石林以外には茘波、武隆、桂林、施秉、金仏山、環江のカルスト地域がある。

石林の石灰岩層には古代の化石が眠っており、数多く発掘されており、化石保護区としても指定され、保護されている。

カルスト台地のこの風景は、日本で有名な秋吉台に似ている。
すり鉢状のくぼ地をドリーネ、飛び出た石灰岩をピナクルと呼びます。

石林近くの村に立ち寄った。
レストランの裏手、アヒルが吊るされていた。
ここは焼鴨のレストラン。

焼鴨は雲南省では宜良焼鴨として名物料理になっている。
焼きたての焼鴨を見せるお店の人。

丸焼きにする石窯からはモクモクと煙と共に美味しそうな匂いが立ち込める。
焼鴨で有名なのは他には北京料理の北京ダック、広東料理の焼鴨がある。

石窯を覗く。
綺麗なキャラメル色に焼き上がった宜良焼鴨。

厨房を覗いてみた。
淡水魚の類の水槽が有った。
魚料理も美味しいのだろう。

色々な食材が並ぶ地元レストランの厨房。