甘粛(かんしゅく)省では敦煌(とんこう)を観光します。
中国版新幹線の蘭新高速鉄道でやって来ました。

蘭新高速鉄道では敦煌の最寄り駅は柳園(りゅうえん)南駅。
蘭新高速鉄道はウルムチ南から蘭州西までを走り、いずれ西安まで延長する計画。

柳園南駅の駅舎風景。
蘭新高速鉄道は２０１４年１２月開業で真新しい。

ここは敦煌博物館。
その入り口の石版。
シルクロード河西回廊や敦煌莫高窟(ばっこうくつ)からの出土品を展示している。

さて博物館へと向かおうとした所、駐車場からの博物館への通路が閉じられていた。
突然の休館日だった。
現地旅行社でも情報が入っていなかったらしく、現地ガイドさんも呆気にとられていた。

敦煌市内を流れる党河(とうが)、その党河に設けられた堰。
飛び石の橋にもなっていて、対岸へ渡れる様だ。

党河に架かる白馬塔大橋の風景。

市内を散策。
商店や民芸品の工房が並ぶ通り。

三輪バイクに乗る敦煌の街の家族。
民族では漢族、回族、モンゴル族、チベット族など、多くの民族が暮らしている。

大通りから少し外れた通りの風景。

裏路地の風景。

三輪バイクが多い。
果物、野菜、衣類などを後ろに積んで行き交う人々。

敦煌夜市とある。
沙洲(さしゅう)市場と呼ばれるにぎやかな通り。

露天商が軒を連ね、食べ物屋やアクセサリーの店、土産物屋などが並ぶ。

夜市の名の如く、夕方から活況を呈する。

日没近く、電燈が灯き始めた頃が最も雰囲気があって、とてもよろしい。
しかし、人が多い。

置物の店。
莫高窟の壁画をモチーフにしている物が多い。

アクセサリーの店。
ネックレスやブレスレットなどは石材でできていた。

こちらはスパイス、香辛料の店。
中身は良く判りません。

ドライフルーツ系の店。
緑色は干しぶどう。

食べ物の屋台。
麺類や饅頭、点心系を置いている。

党河周辺の夜景が美しい、との事で、再び党河へ向かいます。
通りでは夕涼みでもしているのか、建物に設置されている大きなテレビを見ている地元の人達。

先程の広場。
實心石意とある。
意味は判りません。

市内中心にある中央ロータリー。
南北を貫く沙洲北路と沙洲南路、東西を貫く陽関東路と陽関中路が交わる所。
中央には反弾琵琶踊人の像が建つ。

オバサン達が踊っている。
しかも結構モダンな曲に合わせてだ。
昔は太極拳と相場は決まっていたものだが。

党河に架かる陽天西路の橋のたもとに広場があった。
夕暮れ時、沢山の人が出て来ていた。

橋の上から党河の川岸風景。
川岸の遊歩道を行き交う人々。
河ではボートに乗る人々。

河には噴水の装置が沢山設置されていて、空高く水を噴き上げていた。

路上書道家。
道の石畳を紙に見立てて、大きな筆で書をしたためていた。
墨の代わりに水を使っているので、５分程で乾燥して消えてしまう。

中国将棋に興ずる地元のお父さん達。
夕暮れ時と書きましたが、実際の時間は９時近い。
中国では国土が東西に広いのも関わらず、東部の北京時間を統一時間としているため、西部では日没時間がとても遅い。

党河の夜景。
欄干や橋げたに色鮮やかな照明を設置している。
欄干には龍の首がいくつも取り付けてられている。
その龍の首は噴水になっていて、龍の口からはすごい勢いの水が噴き出していた。

党河の川岸の遊歩道を散歩する。
所々にあったライトアップされた屋根のある回廊。

敦煌の市内は中々きれいだった。
反対に歴史を感じる物は特に無い。

わずかに光が残り、辺りが濃い紺色に染まる瞬間。
ライトアップされた、人工的な金色の東屋が映える。
奥の山影は、後日行く鳴沙山(めいさざん)の砂の山。

川面に映るライトの光の彩りが美しい。
若いカップルも多い。

ライティングされた岸辺の遊歩道。
時間を忘れて散歩していると、鳴沙山も漆黒の闇に消えていた。
もう１０時を回っている。

ホテルへの帰り道、再び中央ロータリーに建つ、ライトアップされた反弾琵琶踊人の像。
反弾琵琶踊人は敦煌莫高窟第１１２窟に描かれている壁画。
琵琶を背中で弾いている。

沙洲市場のライトアップられた入り口ゲート。
この時間でもまだまだにぎわっていた。

ここは敦煌の少し郊外にある白馬塔。
敷地内には日本語で伝記が在った。
その伝記によると。
「クモロスは西域で有名な経翻訳の大家である。ある年、彼は洛陽で経を講ずるため白馬に乗って出発した。彼らは互いに助け合い、山を越え、水を渡り、多くの苦難を得てやっと沙州に来た。」

「クモロスは沙州に着くと普光寺に泊まった。彼は数日間仏教を講じていたが、白馬は病気になってしまった。馬は草も食べず、水も飲まないので、クモロスは心配の余り馬屋に住み込んで馬を看護した。その夜、彼が心配して眠れない時、突然白馬は話し出した。」

「法師よ、私はもと西海の白竜だった。陽関に入る前は茫々たる沙漠で道は悪いので、私は特にあなたを乗せて東へ経を伝えに来た。今既に陽関に入り、道は出て、果てで無く、途中に宿駅も有るので、私はもう、お供致しません。お別れです。」

「白馬はそう言うと馬屋から出ようとした。
その時、白馬は三声嘶くと空は雷電が閃きクモロスが驚いて手綱を緩めると一道白光が馬屋から飛び出し、稲光の様に西の方へ去ってしまった。」

「そして跡には馬の嘶きの余音だけが残った。クモロスがよく見ると、眼前の白馬は地上に倒れ息が絶えていた。クモロスは心を痛め、白馬のために祭壇を設けて九日間祀った。経を講じて資金を集め、普光寺境内にこの白馬塔を建てた。」

最初の塔は４世紀末の塔で、その後度々建て直された。
現在の塔は１２ｍ程の高さ。
今は普光寺は無く、この塔しか残ってない。

白馬塔近くにあった沙州故城の一部。
沙州は敦煌の古い呼び名で、かつての城壁の跡が市内や郊外に点在している。
保存状態はあまり良くない。

敦煌の観光はおしまい。
これから西安へ向かいます。
これは敦煌空港の入り口の風景。

敦煌空港の飛行場内側のターミナルビル風景。
小さい空港なので、徒歩で駐機場を移動し、タラップで搭乗します。