スペイン王国(ラ・マンチャ地方)
チンチョン
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首都マドリードから南、ラ・マンチャ地方を旅します。
ここはその途中、マドリード郊外、南東へ40kほどにある田舎町チンチョン。
チンチョン
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ここはチンチョンの街の中心にあるマヨール広場。
左奥の改修工事中の建物はヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アスンシオン、聖母の被昇天教会。
教会の建設は16世紀中頃始められたが、19世紀初めナポレオンの攻撃に遭い焼失。
現在の建物は20世紀の物。
チンチョン
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陸上競技場の様な楕円形をしているマヨール広場。
高い塔は時計塔。
かつて存在した恵みの聖母教会、その塔だけが残っている。
右の建物はロペ・デ・ベガ劇場。
ロペ・デ・ベガとはスペインの劇作家だとの事。
チンチョン
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マヨール広場の周りは3~4階建ての家が囲んでいる。
家は木造建築で、全て広場に面してベランダを張り出させている。
中には道の上に渡り廊下が渡された家もある。
チンチョン
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マヨール広場から時計塔の風景。
楕円形をしているマヨール広場ではチンチョン名物のリキュール酒、アニス酒の祭りやワイン祭りなど季節ごとにイベントやカーニバルなどが開催される。
チンチョン
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カスティリア王国のエンリケ4世の執事だったアンドレス・カブレラ、後のモジャ侯爵の息子がスペイン国王カルロス1世よりこの地の領土とチンチョン伯爵の爵位を授与された。
チンチョンの街の興り。
郊外にはチンチョン伯爵の居城跡が残っている。
チンチョン
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マヨール広場周辺の通りの風景。
小さいながらもカフェ・レストランや民芸品の店もあり、楽しめる街だ。
アランフエス
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チンチョンから南西20k、ここはアランフエスの街。
ポルトガル、リスボンまで流れるテージョ川沿いは、古くから王家の保養地となってきた。
この立派な建物はアランフエス王宮。
アランフエス
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アランフエス王宮は16世紀、スペイン帝国のフェリペ2世によって離宮として建築が始まった。
贅の限りを尽くした豪華絢爛な王宮は18世紀、フェルナンド6世の時代にやっと完成した。
その後も統治していた王によって拡張・改装された。
アランフエス
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テージョ川沿いは王子の庭園や島の庭園など、広大な面積を持つ王族の庭園が広がる。
このアランフエス王宮と美しい王族の庭園はアランフェスの文化的景観としてユネスコ世界文化遺産に登録されている。
アランフエス
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これはシルベラ宮殿。
アランフエス王宮の南に建つバイエルン公国の宮殿として建てられた。
バイエルン宮殿とも呼ばれる。
コンスエグラ
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ここはラ・マンチャ地方、コンスエグラの街。
アランフエスからは南へ65kほどにある。
丘の上、稜線には風車群が見える。
コンスエグラ
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コンスエグラの街を有名にしているのが、この風車群。
スペインの作家、セルバンテスの小説、ドン・キホーテに登場する事で知られる。
コンスエグラ
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コンスエグラの風車群を背景に筆者近影。
コンスエグラの街の南に南北に細長いカルデリコの丘があり、丘の尾根に沿って1Kほどに12基の風車が残る。
コンスエグラ
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コンスエグラの風車群。
右の建物はコンスエグラ城。
8世紀頃アッバース朝時代に建てられたアラブの砦跡で、12世紀には聖ヨハネ騎士団の要塞として使われた。
19世紀ナポレオンとの戦いで壊されたが、近年修復され、一般にも公開されている。
コンスエグラ
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風車は14世紀ごろ聖ヨハネ騎士団によって建てられた。
元々、小麦を挽いて製粉する装置で、現在では使われなくなった。
コンスエグラ
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ラ・マンチャ地方の風車群はコンスエグラ以外にもカンポ・デ・クリプターナが名高い。
ドン・キホーテが小説の中で巨人と見間違えて戦いを挑む風車はカンポ・デ・クリプターナの風車。
コンスエグラ
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コンスエグラは11世紀、カスティーリャ王国とイスラム王朝、ムラービト朝との戦い、コンスエグラの戦いで知られる。
コンスエグラ
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カルデリコの丘からのコンスエグラの街の眺望。
街は丘の北側にある。
コンスエグラ
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カルデリコの丘から見渡したコンスエグラの街。
この教会はサンファン教会。
街を流れるアマルギーリョ川の岸辺に建つ16世紀の教会。
コンスエグラ
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カルデリコの丘から南側、街の反対方向の風景。
ラ・マンチャ地方独特の、乾いた褐色の大地がどこまでも広がる。
コンスエグラ
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コンスエグラの風車と筆者近影。
コンスエグラは風車などの観光業以外には主要産業として農業がある。
小麦や乾燥地帯を好むブドウ、オリーブ、特産品のサフランなどを生産している。
コンスエグラ
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コンスエグラの風車は使われなくなってから数十年経つ。
現在では修復され、定期的に観光用で動かしているそうだ。
プエルト・ラピセ
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コンスエグラから南東へ20kほどに小さい町、プエルト・ラピセがある。
昼食に立ち寄りました。
レストラン・ベンタ・デル・キホーテ
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昼食に立ち寄ったプエルト・ラピセにあるレストラン、ベンタ・デル・キホーテ。
入り口の風景。
奥には広い中庭があった。
レストラン・ベンタ・デル・キホーテ
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レストランの中庭の風景。
実はここはかつて旅人向けのホテルだった店で、小説ドン・キホーテの作者、セルバンテスも何度か宿泊したと伝わる。
レストラン・ベンタ・デル・キホーテ
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レストランの中庭の風景。
ドン・キホーテの像が置かれ、昔の馬車や馬の桶などが置かれている。
オズボーンの雄牛
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バスの車窓から大きな牛の形の看板を見かけた。
これはオズボーンの雄牛と呼ばれる広告看板で、お酒の醸造会社オズボーン社の看板。
スペイン全土の主要な道路沿いに設置されている。
ラ・マンチャ地方
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ラ・マンチャ地方の牧歌的な風景。
ラ・マンチャ地方はスペイン中央部の中央台地に位置する高原地帯。
大陸性地中海気候で、冬は寒く、夏はとても暑い。
7、8月の降雨量は少なく、非常に乾燥している。
フィニステレ貯水池
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コンスエグラから北西へ20kほどを通過中、東に湖の様な地形が現れた。
アルゴドール川の途中に造られたフィニステレ貯水池だ。
ラ・マンチャ地方はとても乾燥しており、降水量も少ないため、大きな貯水池を造っている。
ペニャス・ネグラス城
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フィニステレ貯水池から北へ10kほど、モーラの町を通過中。
町の東の岩山の上に堅固そうな山城が見えた。
ペニャス・ネグラス城と呼ばれる、10世紀ごろ南のトレド防衛のために建てられた。
12世紀ごろ、カスティーリャ王のサンティアゴ騎士団の城となった。
アルモナシッド城
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モーラの街から北西へ10k、アルモナシッド・デ・トレドの町を通過中。
ここにも山城が残っており、町の南の丘の上にあった。アルモナシッド城と呼ばれ、9世紀ごろに建てられた。11世紀、カスティーリャ王国アルフォンソ6世の居城となる。19世紀、半島戦争時にフランス軍によって破壊された。