シリア・アラブ共和国(ダマスカス)
ダマスカス
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ここはシリアの首都ダマスカス、その街並の風景。
右の像はダマスカス城の近くに建つ、アイユーブ朝の創始者サラディンの騎馬銅像で、ハッティンの戦いの場面を描いている。
古都ダマスカス
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ダマスカスは近代的なビルが建つ一方、旧市街では城壁に囲まれた古い地区が残る。
まずはダマスカスの旧市街を散策する。
ここは旧市街にあるハミディーエ・スークの入り口近くのユピテル神殿跡。
旧市街
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旧市街の通りには沢山のお店が列んでいた。
ここは木工家具や日用品のお店。
首都ダマスカスは、古代シルクロードの時代から東西交通の十字路に当たるため、物流の要衝として栄えて来た。
その旧市街には、アラブ人により敵の侵入を防ぐ目的で城壁が造られ、現在も残っている。
旧市街
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シリアの地は古代より歴史があり、氷河期が終わりチグリス、ユーフラテスの平地で農耕が始まり古代メソポタミア文明が興る。
紀元前40世紀古代オリエントの時代からシュメール王朝やアッカド帝国が台頭して来た。
旧市街
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現在のシリア領内では、紀元前20世紀にマリ王朝やエブラなどのユーフラテス沿いに古代都市国家が誕生する。
その後もメソポタミア地域ではヒッタイト、バビロニア、アッシリアなどの王朝が興り、国々が興亡を繰り返した。
旧市街
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紀元前6世紀、アケメネス朝ペルシアがメソポタミア地域を統一した。
紀元前4世紀、アレキサンダー大王のアルゲアス朝マケドニア王国にアケメネス朝ペルシアは滅ぼされるが、そのマケドニアもセレウコス朝シリアの支配下となる。
旧市街
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旧市街の裏路地。
表通りとは打って変わって、静かでモノクロの色彩の風景。
紀元前1世紀、古代ローマ帝国の支配下となり、シリア領内ではパルミラなどの都市が繁栄した。
レストラン
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旧市街の裏路地にあったレストラン。
路地から地下へ入って行きました。
クラシックな雰囲気のレストラン。
アル・ハミディヤ・スーク
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ダマスカスにはスークと呼ばれるアーケードの市場がある。
ここは旧市街にあるアル・ハミディヤ・スーク、ダマスカス最大のスーク。
沢山の人で混雑しているスークの風景。
人混みの中なので、貴重品には注意が必要です。
アル・ハミディヤ・スーク
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長さ600mのスークには工芸品、衣類、日用品、装飾品から食料品やレストランまであり、ダマスカスの代表的な観光地。
西暦7世紀、イスラム王朝のウマイヤ朝が誕生、ダマスカスを首都とし、繁栄する。
西暦8世紀、ウマイヤ朝に代わり台頭したアッバース朝がアラブ地方を支配、都をバクダッドへ移されると、ダマスカスは一地方都市となり廃れて行く。
アル・ハミディヤ・スーク
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スークの横道風景。
アッバース朝も10世紀には勢力を失い、ブワイフ朝、セルジューク朝、アイユーブ朝と支配は移り、13世紀にモンゴル帝国のチンギス・ハンの孫、モンケ・ハンに滅ぼされる。
マムルーク朝の支配の後、15世紀オスマン帝国がマムルーク朝を滅ぼし、シリアはオスマン帝国下に入る。
アル・ハミディヤ・スーク
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第一次世界大戦に敗戦したオスマン帝国はアラブ反乱に遭い解体、指導者ファイサル国王によるシリア・アラブ王国が誕生。
しかし、直ぐにフランス軍との戦いに敗れ、シリアはフランスの統治領となり、シリア・アラブ王国は短命に終わる。
アル・ハミディヤ・スーク
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ようやく出口にたどり着いた。
スークの西側出入口はウマイヤド・モスクの西側に当たり、モスクの塔、ミナレットが見える。
出入口には古代ローマ時代の遺跡のアーチが、そのまま使われている。
アル・ハミディヤ・スーク
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スーク西側出入口の古代ローマ遺跡。
第二次世界大戦後にシリア共和国としてフランスより独立、その後エジプトとの連合国家、アラブ連合共和国を経てシリア・アラブ共和国が樹立。
1970年、軍部クーデターによりアサドが政権が誕生、独裁国家となる。
ウマイヤド・モスク
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ダマスカス旧市街で最も見所となる観光名所、ウマイヤド・モスク。
ここはハミディーエ・スークの東出口、ウマイヤド・モスクの西側風景。
モスクの南西に建つ塔は、西の塔とも呼ばれるカーイトベイのミナレット。
15世紀にシリアを支配していた、スンナ派イスラム王朝マムルーク朝の君主カーイトベイの命により建てられた。
花嫁の塔
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異教徒でも入場は可能だが、入り口は決まっていて北側の門。
写真は北側入り口にあるミナレット、花嫁の塔。
ウマイヤ・モスクには3つの塔、ミナレットが建つが、花嫁の塔は最も古い。
これから中へ入ります。
ウマイヤド・モスク
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周囲を回廊で囲まれたウマイヤド・モスクの中庭風景。
北側入り口から南側正面の方向を。
写真左は礼拝堂。
壁のモザイク画が素晴らしい。
中央の小さい建物は清めの泉で、礼拝前に身を清める。
右奥にはカーイトベイのミナレットが建っている。
ウマイヤド・モスク
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北側入り口から南東方向を。
左の小さなドームはバブ・ジャイルン水時計のドーム。
中央右奥にあるミナレットは預言者イーサーの塔、高さは77mで3つのミナレットの中で最も高い。
花嫁の塔
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礼拝堂入り口から見た花嫁の塔。
世界最大のモスクの一つで、世界最古のモスクのウマイヤド・モスク。
しかしここは神聖な場所で、イスラムの人達にとって聖地となっている。
観光名所扱いは異教徒くらいかな。
礼拝堂
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礼拝堂の内部風景。
堂中は広々としていて、多くの礼拝者が祈りを捧げていた。
礼拝が済んだ信者は思い思いにくつろいでいた。
ウドゥ
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ここは礼拝堂の近くにあった洗い場。
ここで信者たちは礼拝の前に、体を洗い清めるウドゥを行う。
ウドゥの作法は厳格に決まっているらしく、手、口、鼻、顔、腕、髪、耳、足の順に3回行われる。
ウマイヤド・モスク
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外に出て再び西側、カーイトベイのミナレットの風景。
ウマイヤド・モスクはイスラムの礼拝堂になる前はキリスト教会だったと言う。
丁度、日没時間が近付いていて礼拝サラートが始まる様で、ミナレットからは礼拝への呼びかけ、アザーンが流れていた。
ダマスカスの夜景
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市街の北西にあるカシオン山からは、ダマスカスの街が一望できる。
今回は日没後に行ったので、きれいな夜景が楽しめた。
ホテル
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筆者が宿泊したシャームパレス・ホテルの風景。
アラブ諸国で発生した大規模反政府運動、アラブの春をきっかけに、シリアにおいても独裁政権への反発からシリア内戦が勃発。
イスラム国を代表とする反政府組織が各地を掌握し、遺跡などの文化財は破壊され、資金を得るために多く遺物は略奪された。
VISA
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シリアの入国VISA
シリアはかつては石油王国だったが、近年では枯渇が進み、産出量は少なくなってきている。
ダマスカスの古代建造物が残る歴史地区は、古都ダマスカス、としてユネスコ世界文化遺産に登録されていたが、シリア内戦による荒廃で危機遺産へと移行されている。