ここはハマの街。
シリアの西側で、南北の中間くらいに位置する。
この街が有名なのは、水車。

緑豊かなハマの街を流れるオロンテス川には、今でも動いている木製の水車群が１７基残っている。
昔は３０基以上はあったと言う。

ハマの水車の歴史は古く、確かなのは西暦５世紀ビザンティン帝国時代には既に存在していたと言うが、一説には紀元前１０世紀にはその原型があったとされている。
現在に残る水車は、最も古いので１３世紀イスラム王朝アイユーブ朝時代に造られたもの。

一つの水車に近づいてみた。
この水車はアル・ジャスリヤの水車。
水車が残る一帯は公園になっていた。

水車には石造りの水道橋がつながっていて、以前は汲み上げた水を水道橋に流し、生活用水に用いたり、農地に流したりしていた。
現在の水車は補修されながら、観光用に使われていて、水は近くの公園の池に流している。

水車を地元では水汲み水車、ノーリアと呼ばれ、川の水の力で水車を動かし、水を汲み上げる。
他の動力では牛やロバなどの家畜によるものや、風力による風車の原理で水を汲み上げるものがある。

水車のアップ。
ギィーときしませながら、水しぶきと共にゆったりと回りつづけている。
アル・ジャスリヤの水車もかなり大きいが、最大の水車は直径２０ｍもある。

ハマの街の風景。
ハマの人口は４０万人を超える比較的大きな街で、シリアで第５番目の街。
中央に建つ塔はボールト・モスクのミナレット。

ホブスと呼ばれる、丸く平らなアラビアパンを買いに行くのは、子供たちの役目。
ハマの町で出会った、人なつっこいシリアの少年。

水車以外のハマの名物、それは甘～いお菓子。
ミルクや特産のピスタチオをふんだんに使った、お餅の様な物やロール状のお菓子など、何種類も売っていた。
筆者も頂戴したが、かなり甘く、沢山は食べられなかった。

町中でよく見かけたバナナ売りの屋台。
シリアでは、この他の果物類もとても豊富だ。